『横笛』杜氏が語るこだわり“米の味を出す” “ひやおろし三種” – 長野県諏訪市 伊東酒造株式会社

YouTube動画

伊東酒造株式会社 醸造部門統括責任者 杜氏 保科 貞芳さん

伊東酒造株式会社 醸造部門統括責任者
杜氏 保科 貞芳さん

伊東酒造の日本酒について

タイプ別とすると
「フルーツのような香りがする」「コメの香がする・味がする」
「原酒で濃い」「加水、アルコール調整をしてすっきりしたタイプ」

で商品をラインナップしています。

日本酒は同じお酒でも飲む温度帯で別のお酒になるので、
自分の飲み方、好きな温度を見つけてもらうと
好きなお酒が見つかると思います。

杜氏が好む酒 吟醸酒「古道」

長野県の美山錦を55%精白の吟醸酒です。
長野県の酵母を使っているので、ちょっとフルーツのような香りがします。
味はちょっと多いタイプです。

常温で飲むか、ちょっと冷やして飲むか、
暑い時には氷を入れてロックで飲む。

アルコールが18%でも飲みにくさはないので、
女性のお客さんが多いです。

どんな料理に合いますか?

私は豆腐が好きなので、夏だったら冷ややっこだったり、
冬なら湯豆腐だったり、揚げ出しにしたり、
豆腐と合わせることが多いです。

(酒と豆腐の)両方を楽しめる気がします。

(日本酒の)材料自体はコメなので
「何かにダメ」ということは無いと思います。

ひやおろし三種へのこだわりについて

「米だけで作ったお酒で」「原酒で」「火入れは一回」

「純米大吟醸のひやおろし」と「純米吟醸のひやおろし」と「純米酒のひやおろし」

「ちょっとフルーツのような香りがするタイプ」
「すっきりしたタイプ」「濃いタイプ」

3タイプ造るということは「それぞれタイプの違うものを造る」ということ
ひやおろしを始めた時から「原酒でやる」「火入れは1回しかしない」ということで、
これでずっとやっています。

純米系でやるのは
「お米の味と香りを楽しんでもらいたい」
「季節感を出す」ことが目的です。

「秋 穂の香」とか「冬 穂の香」などと必ず季節を乗せます。

基本的には「コメを感じてもらう」というコンセプトです。

このお米を「どのくらいのスピードで」「どのくらい溶かして」
「どんなタイプを造るか」
「お米の味をたくさん出して、米を感じてもらいたい」
というつもりで、
味わいが複雑で濃い純米酒、ひやおろしを造りたいです。

「すっきりしていて」とか、「香りが高くて」といった、純米吟醸系のようには造っていないです。
「純米酒を造るつもり」で造っているので
「(精米歩合)59%なので純米吟醸酒です」という考え方ではないです。

出来上がったお酒を貯蔵しておいて、
(ひやおろし解禁日の)9/9にラベルを張って
出荷をする前に試飲をしてみたら飲みにくいというときに
「全部タンクにあけてアルコール度数を15%に落として
もう1回瓶詰と火入れをして売ったらたくさん売れるからそうしよう」
という考えは基本的に無いです。

(そういうことはせず)「うちの純米のひやおろしはこれです」ということでいきます。

杜氏の仕事とは

「微生物がお米を日本酒に変えている」
というところでは、「非常に神秘的で面白そう」
というイメージを持たれます。

現実的には、寒い時期に水仕事で、重いお米を扱って、
当然衛生面では使う道具を洗って殺菌して使って、
また洗って殺菌して元に戻す。

こういったことの繰り返しなので、
傍から見るのとは違って、非常に重労働というところはあります。

毎年同じお米、同じ精米をされたものでも性質が違ったりするので
その辺の工夫をどうやってやるかなどは、
面白味であったり、苦しみであったりというところはありますね。

どういう香りで、どういう味に作るか?という点は、
仕入れたお米を、どのくらいのスピードで、
どのくらいお酒にするかというところで酒質が決まってくるので、
「米の性質をいかに活かせるか」を年によって工夫をしながら、

チャレンジな感じはしますけれど。

日本酒で作った梅酒

梅酒だけ買いに来るお客さんも結構あったりするので
(すぐ売り切れるため)かなり怒られました。
「せっかく来たのに梅酒が無い!」と(笑)

女性にも好かれたい、日本酒の方も見てもらいたいと、
平成19年から立ち上げました。

せっかくここは日本酒を造っている所なので
ベースは日本酒で日本酒に梅と氷砂糖だけで造る

飲んでいただくときに、梅の香りがふわっと広がる贅沢なものです
焼酎と日本酒のベースでは味も全く変わります。

どちらで買えますか?

ここは諏訪の中でも一番小さい蔵です。
年間で200石ちょっとくらいの蔵ですので、
そこらじゅうで売っているところまでには至っていません。

ここでしか飲めないお酒もいくつかありますので

蔵元に来ていただいて、うちのお酒を飲んでいただくことで
「横笛っておいしいな」と思っていただけるとうれしいです。

日本酒と季節と観光

日本酒にもやはり季節があります。

搾りたて原酒系のお酒が冬から春先にありますし
その時期にしか飲めないお酒
夏は生酒があったり、秋はひやおろしがあったり
冬はお燗ができるお酒が出てきたり

季節があるので
ホテル・旅館さん、飲食店さんで
秋のお酒・冬のお酒などと食材と合わせて観光のお客さんに楽しんでもらう

季節感を感じてもらう、
そこでしか飲めない地酒を使うことで
観光面も広がっていけばいいかなと思います。

横笛 伊東酒造株式会社

横笛
伊東酒造株式会社
住所:長野県諏訪市諏訪2-3-6
電話番号:0266-52-0108
http://www.yokobue.co.jp/

 

コメントは受け付けていません。